NHKスペシャルで放送されたジェンダーサイエンスでは心や身体、そして社会性(ジェンダー)というテーマを扱っていました。
脳は人間の生まれ育った環境や性ホルモンによっても影響を受けているという内容です。
その環境や性ホルモンがその人オリジナルのモザイク脳を作っているのです。
- 自分が男である、女である、もしくはどちらでもないと思う性自認
- 好きになる対象の性
- 性の中性化
最近ではLGBTなど多様な性についてもよく取り上げられていますね。
性の多様性は脳の多様性にも関係しているようです。
今回は脳や性の多様性について書いていきたいと思います。
脳と性の多様性
現在はLGBTなど性の多様性についてよく知られるようになりました。
そして90%の人たちが
男性よりの脳、女性よりの脳、中性的な脳が入り混じったモザイク脳です。
どうやらこのモザイクの脳は
性の多様性、脳の多様性にも深く関わっていそうですね。
モザイク脳のテストを少し公開している記事があるので参考にしてみてください。
【脳の多様性】性自認に関わっている分界条床核とは?
自分自身の性別を
「男である」「女である」「どちらでもない」「どちらでもある」
と認識することを性自認といいます。
中には「分からない」という人もいるかもしれませんね。
性自認とはつまり
自身の性をどのように認識しているかという自己意識の概念のことをいいます。
この性自認に大きく関わっていると言われているのが
分界条床核です。
分界条床核‥
あまり聞きなれない言葉ですね。
分界条床核の大きさと性自認の関係
この分界条床核の大きさが性自認と深く関わっています。
分界条床核は
- 男性 → 分界条床核が大きい
- 女性 → 分界条床核が小さい
というのが一般的です。
トランスジェンダーの分界条床核はどうなっている?
では
生まれた性は男性・心は女性
といったようなトランスジェンダーの場合はどうでしょうか。
- 生まれた性は男性・心は女性、MTFの場合は分界条床核が小さい
- 生まれた性は女性・心は男性、FTMの場合は分界条床核が大きい
といった結果になりました。
つまり分界条床核の大きさは
生まれた性ではなく、心の性近づく傾向があるんですね。
これはおもしろ結果になりましたね。
分界条床核の大きさはテストステロンが関わっている
分界条床核は神経細胞が集まってできていますが
この神経細胞はテストステロン(男性ホルモン)が多いほどより多くの神経細胞が集まってきます。
テストステロン(男性ホルモン)がより集まることで分界条床核の大きさが大きくなる
というわけです。
男性ホルモンの量が多かったり少なかったりすることで、男性の脳に影響を与えていることがわかりました。
その少しの違いが脳のバリエーションとなり
いろいろな個性を持ったのができているんですね。
性の多様性とLGBT
分界条床核が心の性に近づく傾向があることや、
分界条床核の大きさで脳のバリエーションが変わることもわかりました。
性自認の多様性もまた社会を彩るモザイクの一部だということですね。
それぞれの個性を持ったモザイク脳の延長線にLGBTの方がいるのでしょうか?
ジェンダーサイエンスに出演していた麻布大学教授 ホルモンの専門家 菊水健史さんによると
性自認だけでなくて性的指向についてもいくつか神経核が関わってくることも分かっていてます。
そこも男女で神経細胞の数の違いはあるが、それもグラデーションになっている。
生物学的に考えると、みんながLGBTの素質を持っている
LGBTもグラデーションの中にあるということですね。
色々なこともそうだけど白黒はっきり決めるのではなく
グレー(グラデーションやモザイク)を認める柔軟性が大切ですね。
性の中性化は進化の過程
2000年からの約16年間で男性のテストステロン(男性ホルモン)が25%も減少していることがわかりました。
テストステロンの減少の理由としては
- 運動不足
- 肥満
- 長期にわたるストレス
などが挙げられますが理由はそれだけではないようです。
なんと人類歴史の中で、男性の中性化が深く関わっているようです。
歴史と深く関わる男性の中性化とは
それではなぜ人類歴史と男性の中性化に関係があるのでしょうか。
それには男性の眉の隆起部分が深く関わっています。
実はテストステロンが高いと男性の眉の隆起部分が高くなると言うことがわかっています。
好きなホモ・サピエンスの男性はテストステロンが高かったと考えられています。
その理由はこちらです
- 狩猟に出るため
- 闘争心が必要
- 筋肉が必要
狩で自分たちで食べるものをとってきているから当然といえばそうですかね。
ところが8万年前から5万年前までの間に眉の隆起に大きな変化がありました。
それは他の生物には見られない集団生活の芽生えという進化です。
現在も男性が外に出て働くと言う考えもだいぶ古くなってきました。
男性も家事育児をすると言う考えが広まり
社会や家庭においても協力しあえる男性が必要とされてきている現代社会を移しているののかもしれません。
女性の中性化と現代社会
中性化は男性だけではありません。
男性のテストステロン減少の反面女性はテストステロンが上昇しているようです。
ということは、女性の中性化も進んでいるとのことです。
女性の中性化か進むとどのようなことがあるのでしょうか。
- 仕事や日々のチェレンジが増える
- ストレスに強くなる
- 女性の社会進出が進む
女性が社会進出して地位を確立し始めている現在。
女性の中性化というのは現代を反映させているように思いますね。
これからは男性・女性に拘ることなく
お互い協力してより良い社会を作っていきたいですね。
そもそもなぜ現代のように男女が区別するされる社会になってしまったのでしょうか。
男女を区別するようになったのはなぜ?
現在はだいぶ緩やかになってはきているものの
まだまだ、男性は外に出て仕事女性は家庭の中に入って家事育児などと言う考え方があります。
また政治家は男性、保育士は女性などの職業的なイメージもありますね。
総理の夫という映画が上映されると聞いて
BLをイメージしてしまいました。
これは
総理=男性
という意識が働いているよね。
お恥ずかしいです。
しかし、古代の古墳時代は女性のリーダーの墓がいくつも発見されています。
日本の初めての女王も卑弥呼という女性でした。
古代では今ほど男女の区別があまりなかったようです。
ではいつから男女区別がされるようになったのでしょうか。
歴史から見た男女の区別
戸籍に記載する際に男性が先、女性が後に記載されました。
これが男女を区別する最初になったと言われています。
など男女の区別は政治と深く関わっているようです。
【男女の中性化】少子化は大丈夫?
男性や女性の中性化が進んできたことで
性に興味が薄くなる男性や家庭に入るよりも社会で活動する女性が増えました。
結婚して子どもを産み育てること=幸せ
ではなくもっと個人の選択が尊重される時代になってきました。
そうすることで
少子化が増えるのでは?
という声もありました。
実際にはどうなのでしょうか?
フランスやスウェーデンの事例
そんな疑問に京都大学教授 明和政子さん(脳と心の発達の専門家)は‥
フランスとかスウェーデンなどは
子どもを産み育てやすい社会の仕組みを作る
生殖医療をしっかりと現場に届ける
ことで出生率は増えてるいるんです。
とのことでした。
人類の英知をフル活用すれば
少子化、出生率の問題は柔軟に解決あるいは支えていくことができるのではないかと思っています。
ともいっています。
考えたり協力したりできる人間だからこそ柔軟に対応していけるという考え方が素敵ですね。
多様化する家族
そしてジェンダーサイエンスで紹介された
トランスジェンダー同士で子どもを授かったカップルのように
現在ではゲイやレズビアン、トランスジェンダーの方が子育てをすることも増えてきました。
LGBTの方が生産性がないなどと言われる時代ではないのですね。
誰もが幸せになる選択を応援できる社会になることが大切です。
そのためには、一人一人の意識はもちろん社会が変わっていけると生きやすくなりますね。
まとめ
モザイク脳と性の多様性はいかがでしたか?
分界条床核の大きさが性自認に関わっていること
テストステロンが男女の中性化に関わっていること
人体は興味深いですね。
そして
脳や性の多様性は歴史的な部分や政治的にも大きく関わっていることがわかりました。
多くの人が男女のモザイクやグラデーションの中で生きています。
男はこうあるべき、女はこうあるべき
に囚われずに個人の選択が尊重される社会になる日が来ることを願っています。
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